法事の時期・スケジュールと日取りで注意すべき点を分かりやすく解説

2021年1月27日 法事・法要
法事の時期・スケジュールと日取りで注意すべき点を分かりやすく解説

法事は、故人の冥福を祈り、家族や親族が哀しみを分かち合うことのできる大切な儀式です。参列した経験のある方は多いものの、自らが法事を執り行う場合、どの時期にするべきか悩む方は珍しくありません。

一口に法事と言ってもさまざまな種類が存在するため、適切に執り行うためにも時期・スケジュールは把握しておきましょう。

今回は、法事の時期やスケジュール、法事の日取りを決めるときの注意点を解説します。段取り良く法事を執り行いたい場合は、参考にしてください。

1.法事とは

「法事」とは、遺族が亡くなった方を偲び、追善供養を行う行事全般のことを指します。僧侶による読経や、集った参列者との会食などを含んだ幅の広い言葉です。

法事と似た言葉に「法要」がありますが、こちらは追善供養などの儀式を指す言葉です。追悼供養などの儀式そのものが法要と呼ばれ、法要を含む行事全般が法事と呼ばれています。

1-1.法事の種類

法事の種類は、大きく分けると2種類があります。1つめが「忌日法要(きにちほうよう)」であり、2つめが「年忌法要(ねんきほうよう)」です。

忌日法要は、故人が亡くなった命日より7日ごとに行われる法事です。7日区切りとなっている由来は、「閻魔の庁の審判が7日ごとに行われる」という仏教の教えにあると言われています。
忌日法要は「初七日(しょなのか)」から始まり、「七七日忌(しちしちにちき)」、いわゆる四十九日で忌明けとすることが一般的です。

年忌法要(回忌法要)は、故人の命日から1年目、3年目など節目となる年に行われる法事のことを指します。特に、命日より1年目に行われる「一周忌」は七七日忌(四十九日)と並ぶ大きな法事です。遺族だけでなく、故人の友人や知人を招いて供養をすることが通例となっています。

2.法事の時期とスケジュール

法事は、前述のように命日から四十九日まで行われる忌日法要と、節目の年ごとに行われる年忌法要に分かれています。遺族となった場合は、どのような時期に法事を行うか把握しておくことが大切です。

ここでは、忌日法要と年忌法要が行われる時期とスケジュールについて、詳しく解説します。

2-1.忌日法要

忌日法要は、命日から49日目までの「中陰(ちゅういん)」と呼ばれる期間に行う法事です。中陰を過ぎるまで故人の魂は成仏せずにさまようと言われており、その故人の魂が安らかに成仏するよう、忌日法要を行います。
忌日法要の概要・時期・スケジュールは下記の通りです。

初七日
概要
  • 僧侶や親族、知人などゆかりのある方を集めた供養
  • 葬儀当日に行われることも多い
時期 7日目
スケジュール 読経や焼香、喪主あいさつと精進落とし(会食)
二七日忌
概要

遺族のみが多く、場合により省略される

時期 14日目
スケジュール 果物などお供え物をし、故人の冥福を祈る
三七日忌
概要

遺族のみが多く、場合により省略される

時期 21日目
スケジュール 果物などお供え物をし、故人の冥福を祈る
四七日忌
概要

遺族のみが多く、場合により省略される

時期 28日目
スケジュール 果物などお供え物をし、故人の冥福を祈る
五七日忌(三十五日)
概要
  • 遺族のみが多く、場合により省略される
  • 地域によっては忌明けとされ、忌明け法要が行われる
時期 35日目
スケジュール 忌明け法要の際には、読経や焼香、会食などが行われる
六七日忌
概要

遺族のみが多く、場合により省略される

時期 42日目
スケジュール 果物などお供え物をし、故人の冥福を祈る
七七日忌(四十九日)
概要
  • 僧侶や親族、知人などゆかりのある方を集めた忌明け法要を行う
  • 一般的に納骨も行われる
時期 49日目
スケジュール 読経や焼香、会食などが行われる

忌日法要では、初回の法要である初七日と、忌明け法要となる四十九日(地域により三十五日)が重要です。

初七日は、僧侶を招いて読経を行い、その間に集まった全員で焼香を行います。遺族だけでなく、親族やゆかりのある方も招くことが通例です。現在では、葬儀当日、火葬の骨上げ後に行う流れが一般的となっています。

四十九日も、僧侶や親族、ゆかりのある方を招待して行います。時期は命日より49日目となっているものの、実際には49日目より早めの時期が選ばれることが多い傾向です。そのため、命日より20日目頃から僧侶手配や場所・会場確保、食事手配などを計算して行っておくと、段取りが良くなります。

なお、その他の忌日法要は、自宅で遺族や近親者のみで密やかに行われる場合がほとんどです。省略される場合もあるため、親族などと相談しながら予定・対応について決めましょう。

2-2.年忌法要

年忌法要は節目の年に行われる法要であり、初回は満1年目の命日に行われます。なお、三回忌の「三」は数え年による表記であり、満年数では2年目にあたるため注意が必要です。下記では、各年忌法要における概要と時期、法要で行われるスケジュールについて解説します。

一周忌
概要

僧侶や親族、知人などゆかりのある方を集めた供養

時期 満1年目
スケジュール 読経や焼香をし、その後に会食が行われる
三回忌
概要

僧侶や親族、知人などゆかりのある方を集めた供養

時期 満2年目
スケジュール 読経や焼香をし、その後に会食が行われる
七回忌
概要

僧侶や親族を集めた供養

時期 満6年目
スケジュール 読経や焼香をし、その後に会食が行われる
十三回忌
概要

僧侶や親族を集めた供養

時期 満12年目
スケジュール 読経や焼香をし、その後に会食が行われる
十七回忌
概要
  • 僧侶や親族を集めた供養
  • 遺族のみの場合もある
時期 満16年目
スケジュール 読経や焼香をし、その後に会食が行われる
二十三回忌
概要
  • 僧侶や親族を集めた供養
  • 遺族のみの場合もある
時期 満22年目
スケジュール 読経や焼香をし、その後に会食が行われる
二十七回忌
概要
  • 僧侶や親族を集めた供養
  • 遺族のみの場合もある
時期 満26年目
スケジュール 読経や焼香をし、その後に会食が行われる
三十三回忌
概要
  • 僧侶や親族を集めた供養
  • 遺族のみの場合もある
時期 満32年目
スケジュール 読経や焼香をし、その後に会食が行われる
三十七回忌
概要

ケースにより異なる

時期 満36年目
スケジュール 果物などお供え物をし、故人の冥福を祈る
四十三回忌
概要

ケースにより異なる

時期 満42年目
スケジュール 果物などお供え物をし、故人の冥福を祈る
四十七回忌
概要

ケースにより異なる

時期 満46年目
スケジュール 果物などお供え物をし、故人の冥福を祈る
五十回忌
概要

ケースにより異なる

時期 満49年目
スケジュール 果物などお供え物をし、故人の冥福を祈る
百回忌
概要

ケースにより異なる

時期 満99年目
スケジュール 果物などお供え物をし、故人の冥福を祈る

年忌法要では、一周忌と三回忌が大切な法要となります。僧侶や親族、関係のある方を招待し、僧侶による読経・参加者の焼香の後に会食を行うことが一般的です。ただし、近年では三回忌を行わない家庭も増加しており、行う場合でも規模を縮小することが多くなっています。
七回忌以降も規模が縮小される傾向にあるため、親族の方と相談しながら方針を決めましょう。

なお、一般的には三十三回忌を「弔い上げ」あるいは「年忌止め」とし、以降の年忌法要を行わないケースが多くなっています。三十三回忌以降の年忌法要は、地域の風習や宗派により異なることが実情です。

3.法事の日取りで注意すべきこと

法事は命日に行うことが理想であるものの、親族とのスケジュール調整などで命日に行えない場合もあります。その際は、法要日を命日の前に設定しましょう。法事の期間は、一般的に命日の1ヶ月前から当日までです。

また、法事は大安や仏滅などの六曜とは何も関係がありません。ただし、大安に法事を行うことに関して、好ましく思わない方がいることも事実です。したがって、日程に余裕があるときは、大安の日を避けるとトラブルを回避することができます。

法事を滞りなく執り行うためにも、余裕をもって日程調整を行うことが重要です。

まとめ

今回は、法事の時期やスケジュール、法事の日取りを決めるときの注意点などを解説しました。

法事は、故人の冥福を祈るために定期的に行う儀式であり、忌日法要と年忌法要の2種類があります。忌日法要では初七日と四十九日、年忌法要では一周忌と三回忌に僧侶や親族、ゆかりのある方を招くことが多いため、早い段階から準備しておきましょう。

法事は基本的に命日の前に行うとされています。可能であれば大安の日を避けつつ、適切な時期・スケジュールを把握し、故人との大切な日を安心して過ごせるようにしましょう。