通夜の喪主挨拶は何を話す?文例・内容をまとめるコツ
喪主になると、通夜の中で喪主挨拶を行うタイミングが訪れます。
突然、通夜を執り行うケースもあるため、どのような挨拶をすれば良いのか分からないという方もいるのではないでしょうか。
今回は、通夜の喪主挨拶で話す内容について、通夜を手短に済ませたい場合・通夜ぶるまいを執り行う場合など、パターン別に例文を解説します。
喪主挨拶を作成する際の注意点や、喪主挨拶で話す内容をまとめるコツも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
1.【パターン別】通夜の喪主挨拶の例文
喪主挨拶を行う際は、基本の型に沿って進めていくことが大切です。
以下は、通夜の喪主挨拶における一般的な流れです。
- 参列への感謝を述べる
- 故人についてのエピソードを紹介する
- 通夜ぶるまいについて案内する
- 葬儀・告別式の日程や場所を案内する
- 再度参列への感謝を述べる
ただし、通夜をなるべく手短に済ませたい場合や、喪主代理として挨拶する場合などは、内容が若干異なります。
以下では、各パターン別に例文を紹介するため、ぜひ参考にしてください。
1-1.一般的な内容でまとめる場合
一般的な内容でまとめる場合は、故人についてのエピソードにある程度具体性を持たせると良いでしょう。
以下は、喪主挨拶を一般的な内容でまとめる場合の例文です。
本日はお忙しい中、父のためにお越しいただき誠にありがとうございました。
父は、3ヶ月ほど前から入院して肺がんの治療を続けておりましたが、病状が悪化したため、昨日〇時〇分、息を引き取りました。享年80歳でございました。
別れが寂しくはありますが、入院の直前まで趣味の旅行やドライブを楽しみ、たくさんのご友人に囲まれて、充実した生涯だったのではないかと感じております。
皆様方の生前のご厚誼(こうぎ)に、家族一同、深く感謝申し上げます。
生前の父の思い出などをお聞かせ願えればと、心ばかりではありますが、別室にお食事の用意をいたしました。お時間が許される方は、ぜひお召し上がりいただきたく存じます。
なお、葬儀・告別式は、明日10時より、当斎場で執り行います。ご都合のよろしい方は、ぜひご参列いただけると幸いです。
本日は、誠にありがとうございました。
上記の例文では、「入院の直前まで趣味の旅行やドライブを楽しみ」という文を入れることで、参列者が生前における故人の様子を思い浮かべやすくなっています。
1-2.通夜を手短に済ませたい場合
喪主挨拶を短くしたい場合は、必要情報のみを簡潔に伝えるようにしましょう。
以下は、通夜を手短に済ませたい場合の例文です。
皆様、本日はお忙しい中、ご参集いただきましてありがとうございます。
また、妻への生前のご厚情に感謝いたします。
亡き妻に代わり、心よりお礼申し上げます。
なお、明日の葬儀は10時より、当斎場にて執り行いますので、よろしくお願いいたします。
ささやかではありますが、別室に食事の用意などをさせていただきました。
ぜひお召し上がりいただき、故人の思い出話などをお聞かせいただければと存じます。
本日はありがとうございました。
故人のエピソードに言及しないことで、喪主挨拶を簡潔に済ますことができます。
1-3.喪主代理として挨拶する場合
喪主代理として挨拶する場合は、冒頭に自分の立場を述べることが大切です。
以下は、喪主代理として挨拶する場合の例文です。
親族代表といたしまして、喪主に代わり一言ご挨拶を申し上げます。
長男の〇〇でございます。
本日は急な参列のお願いにもかかわらず、母の通夜にお運びいただき、誠にありがとうございます。
生前お世話になりましたたくさんの方々にご参列いただき、母も大変喜んでいることと存じます。母と喪主に代わり、心より感謝を申し上げます。大変お世話になりました。
思い出は語りつくせませんが、夜も更けてまいりました。
まだゆっくりしていただきたいところではございますが、明日のお勤めに差し支えてはいけませんので、本日はお開きにさせていただきます。
後は家族で守りますので、どうぞご自由におひきとりくださいませ。
なお、明日は10時より、当斎場にて葬儀・告別式を執り行います。
ご都合がよろしければ、ぜひご参列いただけますと幸いです。
本日は誠にありがとうございました。
「喪主に代わり、心より感謝を申し上げます」などと、喪主の立場からの感謝を入れる言葉も忘れないようにしましょう。
1-4.通夜ぶるまいを執り行う場合
「通夜ぶるまい」とは、通夜を終えた後に執り行う簡易的な食事会のことを指します。
故人のお清めや供養とともに、遠方から参列に訪れてくれた方への感謝の気持ちを表すために、通夜ぶるまいを執り行います。
通夜ぶるまいを執り行う場合、喪主の挨拶は、通夜ぶるまいをお開きにする際に行うことが一般的です。
故人のエピソードなどを織り交ぜながら、参列への感謝と後日の葬儀・告別式の連絡、参列客の帰路を思いやる一言を含めて挨拶しましょう。
以下は、通夜ぶるまいを執り行う場合における喪主挨拶の例文です。
悪天候を想定した例文となっています。
本日はお忙しいところ、またお足元のお悪い中、お集まりいただき誠にありがとうございました。皆様からさまざまなお話を伺う中で、生前、母が皆様にどれほどたくさんのご厚誼を賜っていたかを、あらためて知ることができました。
ご不便をおかけする場面もあったと存じますが、滞りなく通夜を終了することができましたのは、ひとえに皆様のおかげでございます。
遠方よりお運びいただきました方もたくさんいらっしゃり、感謝申し上げます。
故人も皆様の温かいお心遣いに、さぞ喜んでいることと存じます。
まだゆっくりと過ごしていただきたいところではございますが、夜も更けてまいりました。あまり遅い時間までお引き止めしてもいけませんので、誠に勝手ではございますが、本日はこの辺りで閉じさせていただきたいと存じます。
また、雨が降り続いております。お足元にはどうぞお気をつけてお帰りくださいませ。
なお、明日の葬儀・告別式は10時より当斎場で執り行います。
お時間が許すようでしたら、ご参列いただければ幸いです。
本日は誠にありがとうございました。
初めて喪主挨拶を行う場合など、喪主挨拶に不安を感じる方は、事前に葬儀社のスタッフの方や親族に、挨拶の内容が問題ないかを相談すると良いでしょう。
参列客に感謝の意を表すことを念頭に置いて、心を込めた文章することが大切です。
2.通夜の喪主挨拶を作成する際の注意点
通夜の喪主挨拶を作成する際は、忌み言葉・重ね言葉・生死に関する言葉を避けるように注意しましょう。
以下の注意事項を意識し、参列した方に対して失礼にならない喪主挨拶を作成しましょう。
①忌み言葉:不幸を連想させるような言葉・不吉な言葉は避けるようにしましょう
忌み言葉の例 |
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②重ね言葉:同じ単語を繰り返す言葉は不幸が重なる印象を与えます
重ね言葉の例 |
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③生死に関する言葉:葬儀の場にふさわしくないため、言い換える必要があります
生死に関する言葉と言い換えの例 |
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忌み言葉・重ね言葉・生死に関する言葉は、喪主挨拶のときだけでなく、葬式に参列する際も使用しないように注意しましょう。
3.通夜の喪主挨拶で話す内容をまとめるコツ
喪主挨拶の文例を見ても、話す内容がまとまらないという方もいるでしょう。
ここでは、通夜の喪主挨拶に最低限どのような内容を盛り込むべきかについて解説します。
参列に対するお礼や、故人が生前お世話になったことへの感謝を盛り込みながら、喪主挨拶を作成しましょう。
3-1.参列者への感謝の思いを入れる
喪主挨拶を行う際に緊張してしまい、上手く話せないのではないかと、心配している方もいるでしょう。
特に、仕事関係の参列者や近隣の知人などを目の前にすることで、緊張してしまうことも少なくありません。
喪主挨拶を行う上で大切な点は、上手く話すことよりも、参列者への感謝を伝えることです。
喪主挨拶の冒頭と結びでは、参列者に対する心からの感謝を述べましょう。
また、故人との具体的なエピソードを盛り込みながら、喪主としての感謝を述べることで、まとまった挨拶になります。
3-2.葬式のお知らせを含めて3分以内に収める
通夜での挨拶は、長すぎても良くありません。
葬儀・告別式のお知らせも含めて、3分以内に収まるように内容をまとめましょう。
必ず話すべき内容である「参列への感謝」「通夜ぶるまいの案内」「葬儀・告別式の日程や場所の案内」にかかる所要時間が、おおよそ1分と言えます。
もう少し喪主挨拶を長くしたい場合は、故人のエピソードを加えましょう。
また、喪主挨拶で緊張してしまいそうな場合は、手元に用意した原稿を読み上げながら話しても構いません。
まとめ
通夜の喪主挨拶は、参列してくれた方への感謝を表し、翌日の葬儀・告別式の情報を伝えるための挨拶です。
忌み言葉や重ね言葉を使わないように注意し、長くなりすぎないように3分以内で簡潔にまとめましょう。
喪主挨拶の内容が通夜の場に適しているか心配なときは、自分以外の第三者に挨拶をチェックしてもらうと安心です。
葬儀社のスタッフや親族に確認してもらい、事前に原稿を読んで練習してから、喪主挨拶に臨むことをおすすめします。