お通夜の開始時間と所要時間は？時間に間に合わない場合は？

葬儀や告別式の前には、「お通夜」を行うことが一般的です。しかし、お通夜は頻繁に参列するものではないため、お通夜の流れや所要時間について正確に把握している人は多くありません。突然の案内に戸惑い、お通夜の開始時間に間に合わない場合もあるでしょう。

そこで当記事では、お通夜の開始時間と所要時間について解説します。お通夜に遅刻しそうな場合の対処法と注意点も解説するため、ぜひ参考にしてください。

「お通夜」とは、葬儀・告別式の前日に行われる儀式のことです。もともとは、故人の親族や親しかった友人が集まり、故人の最後の夜をしのぶ儀式でしたが、近年は仕事関係者もお通夜に参列することが増えています。

下記は、仏式における一般的なお通夜の流れです。お通夜に参列する予定の人は、ぜひ参考にしてください。

お通夜の流れは、地域や宗派によって異なります。特別な慣習がある場合は、地域・宗派にそった流れに従いましょう。

本来、お通夜は故人を供養するために、夜通しろうそくの火を絶やさないよう一晩中行われていました。しかし、近年は数時間で終了する「半通夜」が主流です。
そのため、一般的にお通夜といえば半通夜を指しており、夜通し行う場合は「本通夜」と呼ばれ区別されています。

ここでは、一般的なお通夜の開始時間と所要時間について紹介するため、参考にしてください。

お通夜の開始時間は、18時～19時が一般的です。参列者受付は、お通夜の30分～1時間前にはじまります。会場に入る時間の目安は、下記を参考にしてください。

●親戚の場合

喪主や遺族は、お通夜がはじまる前に葬儀会社との打ち合わせや準備があるため、早めに葬儀場に向かわなければなりません。葬儀会社のスタッフにスケジュールを確認し、参列者受付の1時間～2時間前には葬儀場に到着しておきましょう。

親族や近親者にも、控室が用意されています。できれば、参列者受付の1時間前には到着しておくと良いでしょう。

●一般参列の場合

会社関係者や友人・知人など一般参列の場合は、受付開始時間を目安に葬儀場へ向かいましょう。早く到着しすぎると、まだ準備が整っていない場合があります。

お通夜の儀式そのものの所要時間は、1時間～1時間半程度です。ただし、全体的な所要時間は、「半通夜」と「本通夜」で異なります。

●半通夜の場合

半通夜の場合は、お通夜の後に通夜振る舞いを行ってから散会となります。通夜振る舞いは1時間～2時間ほど行われますが、一般参列の場合は最後まで出席する必要はなく、出席時間の目安は30分～1時間程度です。

遺族・親族の場合は、通夜振る舞いの最後まで出席します。お通夜開始前の受付準備に1時間～2時間要することを考えると、全体的に3時間～6時間かかると考えておくべきでしょう。

●本通夜の場合

本通夜であっても、お通夜自体の所要時間と通夜振る舞いの時間は変わりません。しかし、本通夜の場合は、通夜振る舞いが終わった後も夜伽（よとぎ）を行うため、半日程度かかります。

ただし、一般参列の場合は夜伽まで参加する必要はありません。遺族や親族でなければ、半通夜・本通夜に限らず、全体的なお通夜にかかる時間は1時間半～2時間程度となります。

通夜振る舞いの席は、同じ会場に準備されているケース、別の場所に用意されているケース、精進料理ではなくお茶とお茶菓子が用意されているケースなど様々あります。散会は、参列者の人数によって異なりますが、20～21時頃が一般的です。

また、参列者がほとんど通夜振る舞いの席に案内されるというわけではありません。地域によっては、親族だけが通夜振る舞いの席に着く場合があります。基本的に、通夜振る舞いの席に案内された場合は、断らずに参加することがマナーです。
どうしても参加できない場合は、喪主などにあいさつやお悔やみの言葉をかけてから退席するようにしましょう。

また、大皿に盛られた会食形式の場合や、席数が少ない場合は長居することもマナー違反です。一般参列の場合は、長くとも30分～1時間以内に退席するようにしましょう。

訃報は予期できるものではありません。そのため、お通夜や葬儀は突然の知らせとなることがほとんどです。そのため、「遠方から向かう」「どうしても仕事を早く抜け出せない」などの都合で、お通夜の開始時間に間に合わないこともあるでしょう。
葬儀に遅刻することは厳禁とされていますが、お通夜であれば多少の遅刻は失礼にあたりません。しかし、お通夜に遅れる際は、注意しなければならないことがあります。

ここでは、お通夜の時間に間に合わない場合の注意点について解説するため、参考にしてください。

お通夜の所要時間は1時間～1時間半程度です。受付の30分～1時間後にお通夜は開始するため、焼香に間に合うようであれば多少遅れてでも駆け付けたほうが良いでしょう。一般的に1時間以内の遅刻であれば、喪主や遺族の迷惑となることはほとんどありません。

受付が終わっていた場合、香典は直接喪主に渡します。トラブルを回避するために、葬儀場のスタッフなど喪主以外に渡すことは避けてください。その日のうちに渡せなかった場合は、翌日の葬儀または、後日遺族の自宅に訪問して渡すようにしましょう。

2時間を超える遅刻の場合は、すでに通夜が終わっている可能性があります。通夜振る舞いに間に合うようであれば、遅れることをあらかじめ連絡した上で参列しましょう。

ただし、2時間を大幅に超える場合は、その日の参列は避けて、翌日の葬儀や告別式に参列するほうが望ましいです。お通夜が終わった後に到着すると、すでに片付けて翌日の準備を行っていることがあり、喪主や遺族に負担を与えてしまいます。

ただし、親族であればたとえ通夜に参列できなかったとしても駆け付けるようにしましょう。葬儀や告別式の準備の手助けができる可能性があります。
さらに、本通夜の場合は遅い時間まで故人をしのぶため、故人のそばで手を合わせることもできます。いずれにしても、時間に遅れる際は必ず連絡を入れた上で駆け付けることが大切です。

お通夜に参列する際は、受付時間を目安にして会場に向かうようにしましょう。あまりに早く葬儀場に到着すると、遺族の負担となってしまうため、注意が必要です。

お通夜には半通夜と本通夜がありますが、一般参列であれば所要時間はほとんど変わりません。通夜振る舞いに案内された際は、マナーとして「一口でも箸を付けること」「長居しすぎず30分～1時間ほどで退席すること」を覚えておきましょう。
また、どうしてもお通夜の開始時間に間に合わず遅刻してしまう場合は、必ず連絡を入れることが大切です。

当記事で紹介したお通夜のマナーを参考にして、故人の死を悼み遺族をいたわる気持ちを持って、お通夜に参列しましょう。