【2024年版】喪中における年末年始の過ごし方

2024年11月29日 葬儀後

今年も年の瀬が近づき、あちこちでセールやイルミネーション等の催し物の呼び声も多く聞かれるようになってきました。
しかし喪中の場合は年末年始を通常通り過ごしていいものか、避けるべき事はあるのか等知られていない事も多くあります。
ここでは喪中における年末年始の過ごし方のヒントや注意点についてお伝えします。

喪中の際に送る年末年始の期間は、伝統的な慣習やその地域の習わしにより異なりますが、概ね連休を挟むこの期間では故人様を偲び、生前のお人柄を思い返すため静かに過ごすことが一般的とされています。

1.喪中の際の年末に向けての準備

1-1.年賀状の送付は控えましょう

一般的に、喪中の場合は年賀状の送付は控え、その代わりに「喪中はがき」を年末早めの時期に送ります。
ご自身が喪中であることを送り先に事前にお知らせし、新年の挨拶は控える旨を相手に伝えます。
(喪中ハガキについて詳しくは前回のコラムを参照ください)

1-2.大掃除やお正月飾りの飾り付け

喪中であっても、年末の大掃除は通常通り行っても問題ありません。
故人様の遺品を改めて整理する機会にもなるかと思いますので、故人様を偲ぶ良い機会にもなります。
しかしその後に正月飾り(門松、しめ縄)や鏡餅を飾ることは避けた方が良いでしょう。
これらは新年を祝う事を象徴するものであるため、喪中の間は控える方が良いとされているためです。

2.喪中における大晦日の過ごし方

華やかなパーティーやカウントダウンのイベントへの参加は避け、ご自宅等でご家族と故人様を偲びながら静かに過ごされるのが一般的です。

2-1.大晦日の食事

通常であれば大晦日の夜に召し上がる方も多い年越しそば。
特に華やかな由来もないため、年越しそばを食べること自体は問題ないと考えられることが多いです。
慌ただしい年末を過ごされた今年最後の夜は、ご家族と静かにこの一年を振り返り、故人様を偲びながら穏やかに食事を頂くのもよい年越しの過ごし方ではないでしょうか。

2-2.大晦日の娯楽

年越しの賑やかなテレビ番組は控えた方が良いと考える方も多くいらっしゃいますが、故人様が生前好まれていた番組があれば、ご家族でそれを鑑賞しながら過ごすのも良い供養になるでしょう。

3.元日から三が日:お正月期間の過ごし方

3-1.初詣について

喪中の場合は神社への初詣は控える方が良いとされています。神道では死を「穢れ」とみなすため、神社に参拝しない風習があるためです。
仏教ではそういった考え方はないため、寺院への参拝は問題ないとされています。
もし近しい方より神社への参拝を誘われた場合、喪中であること相手に伝え丁寧にお断りするのがスマートです。

3-2.挨拶や振る舞い

新年の「明けましておめでとうございます」といった挨拶や、華やかな装いはなるべく避けた方が無難です。
その代わり「本年もよろしくお願いします」といった、控えめな挨拶が好ましく受け取られるでしょう。

3-3.正月の食事や過ごし方

新年のお祝い事や華やかな行事は控え、ご家族、ご親戚等と簡素に過ごすことが一般的とされています。
おせち料理は通常通り用意しても問題ありませんが、祝い事の象徴である海老といった具材がふんだんに使われるような華美なものは避けるよう配慮されている方もいらっしゃいます。

4.年末年始の供養について

新しい年を迎えた際に、ご家族・ご親族で集まり故人様を偲びながらお墓参り(またはお仏壇)で供養を行うことも多いです。
年を越した事を故人様へ報告するのと同時に、故人様を改めて偲ぶ良い機会になるでしょう。

まとめ

とはいえ喪中であっても、必ずしも慣習に従わなければならないわけではありません。
あまりにもしきたりに縛られすぎて、心安らかに年末年始をお過ごしいただけないことは、故人様も望んではいないはずです。

それぞれのご家庭の方針や故人様の生前の考え方を尊重し、今を生きるご遺族お一人お一人に無理のない形で過ごされることが何よりも大切です。
年末年始を喪中で迎えられる皆様が、心穏やかに過ごされることをお祈りいたします。