エンディングノートとは?
残しておきたいご自身の大切な記録と注意点

2024年9月30日 葬儀の準備

近年よく耳にするエンディングノート。
「事前に用意しておいた方が良い」と言われているものの、どのような事を書いていいものか分からない、とお悩みの方も多くいらっしゃるのではと思います。
ここでは、エンディングノートとはどのようなものか、またエンディングノートに書いておきたい項目・内容や注意点についてご紹介します。

1.エンディングノートとは?

エンディングノートとは、ご自身が亡くなった時や事故・ご病気等で意思の疎通が難しくなるといった万が一の際に、ご家族にとって必要となる情報や、ご自身の意向を事前に書き残しておくためのノートです。
エンディングノートは遺言書とは異なり法的拘束力はありませんが、残されたご家族がご自身の意向を汲みとり適切に対応することが可能となるため、ご家族の様々な負担を軽減することができます。

2.エンディングノートに書いておきたい項目・内容について

2-1.個人情報

ご自身の氏名、ご住所、電話番号、メールアドレス、公的身分証明書(免許証、健康保険証、マイナンバーカード、パスポート等)の情報・保管場所、万が一の際の連絡先等を記入します。
その他ご自身の名義で契約している公共料金(ガス・水道・電気等)やインターネットプロバイダーや携帯電話会社の情報、動画や音楽サービスのサブスクリプションを利用している場合はサービス業者等の情報も記入しておくと、万が一の際にご家族の各種対応もスムーズに進めることができます。
またSNSを利用されている場合、SNSサービスやアカウント情報と併せて、ご自身に万が一の際にご家族にアカウントを削除して欲しい、これまで交流のあった方々に対してメッセージを書き込んで欲しい、といった意向を記入しておくと安心できるかと思います。
親しいご友人や職場の方、同窓生への連絡先も記入しておくと、ご家族が万一の際の連絡先としてスムーズに連携をとることができます。

2-2.医療・介護サービスについて

ご自身が事故や病気で重篤な状態となった場合、また認知症などで意思の疎通が難しくなった時のために、その後の医療措置についての希望やアレルギーや持病、常備薬といった情報を残しておきます。
かかりつけ医院がある場合は連絡先も記載しておきます。
回復の見込みがない場合の延命措置についてもご自身の意向を記しておくことをお勧めします。
この場合、ご家族との見解の相違が出てくる可能性もありますので、ぜひご家族とも話し合いの場を設けてみてください。
介護については、やはりご自身での決断が難しくなった時を考慮して、どのようなサービスを利用されるのか、予算についてもどの程度を想定しているかを書き留めておくと良いでしょう。

2-3.葬儀・納骨について

菩提寺が決まっている場合は菩提寺の名前・連絡先を記入します。
葬儀は近しい方のみで見送ってもらえる家族葬にするか広くご友人等をお呼びする一般葬にするか、喪主はどなたにするか、どのような葬儀にして欲しいといった希望があればぜひ記入してください。
ご家族にとってもスムーズに葬儀を行う指針となるでしょう。

また、すでにお墓や納骨堂を準備されている場合は、所在地や連絡先を記入しておきます。
新しくお墓を購入することになる場合は、希望する場所や予算等があればご自身の意向を記しておくと良いでしょう。

2-4.遺品整理・遺言について

資産価値が低いと思われるコレクション等、ご自身の私物をどのように扱って欲しいかについて記入しておくと、ご家族が遺品をどのように形見分けすれば良いかの指針となります。
私物の量が多い時はどのように処分して欲しいかも記入しておくとご家族の手続きがスムーズになります。
特定の方に特定の遺産・遺品を残したい場合は、法的効力のある遺言書を残しておきましょう。

2-5.財産相続について

預貯金や有価証券、不動産、各種保険といったご自身の財産についても記入しておきます。
証券類の保存場所や預貯金口座の通帳・カード類、ネットバンクであればIDとパスワードについても必ず記入してください。
また借金やローンが残っている場合、そちらも相続遺産となりますので、残さず記入するとご家族の負担も軽減されるでしょう。

2-6.ご家族・ご友人へのメッセージ

もしもの事があった際、ご家族やご友人と語らう事ができない場合もあります。また普段の生活の中では、なかなか感謝の気持ちを言葉で表す機会がないものです。
そこで、ご自身にとって一緒に過ごした時間がどれだけ大切で幸せであったか、ご家族やご友人に向けた感謝の気持ちをメッセージに残しておきましょう。
ご家族・ご友人にとって、ご自身の残されたメッセージはかけがえのない最後の贈り物となるでしょう。

2-7.その他

ペットを飼育されている方は、万が一の際のペットの引き取り先を記入しておきましょう。
その際、ペットのかかりつけ医院や常備薬、予防接種歴、保険の有無、フードの好みや性格などを合わせて記入することで、新しい家族への引き継ぎがスムーズになります。
ガーデニングや家庭菜園を楽しまれている方は、その後の植物についてもどうされたいのかの意向を記入しておくと良いでしょう。

3.エンディングノートの注意点

エンディングノートには法的拘束力がないため、財産を特定の方に残す場合には法的に有効な遺言書を必ず作成してください。
また、資産詳細やデリケートな内容が含まれるため、どなたでも見ることができるような場所での保管は避けましょう。
ご家族や信頼する方のみに、保管場所をお知らせするようにしてください。

また、エンディングノートを作成してから時間が経った場合、その時々で意向が変わってしまうかもしれません。
時々ご自身のエンディングノートを見返してみることも大切です。

まとめ

ご自身がお元気なうちにエンディングノートを作ることにタブー感を抱かれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、エンディングノートはご自身の大切なご家族にとっても万が一の際の指標となる大切なノートです。
ご自身らしく最後まで生きるためにも、意思表示や身の回りの事の記録は周りの方々にとっても大切なものとなります。
これまでの様々な出来事やめぐり会った方々との思い出に想いを馳せながら、あなただけのエンディングノートを作り上げてください。

平安会館では「事前相談会」にお越しいただいたお客さまに無料でエンディングノートをお渡ししております。
シンプルながらも、ご家族に残しておきたい必要な情報を網羅しているノートですので、ぜひ一度お手に取ってみてください。
また、人形供養や遺影撮影会といった葬儀にまつわるイベントも随時開催しておりますので、ぜひお気軽にご来館ください。
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