「樹木葬」と「散骨」
新しい埋葬スタイルの特徴と、メリット・デメリットを紹介

2024年8月30日 葬儀後

近年、環境に配慮した埋葬方法としての「樹木葬」、海洋や山岳、ご自宅(のお庭)といった故人の愛した地に遺骨を撒く「散骨」といった新しい供養方法を選択される方も増えてきました。
どちらも自然と調和した埋葬方法なので、自然に包まれて安らかに眠りたいと考える方にとって魅力的な選択肢となっています。
しかし樹木葬、散骨のどちらも一般的になってまだ日が浅いためどのような埋葬方法であるかわからない、といった方も多いのではないでしょうか。
ここでは樹木葬、散骨の特徴とメリット・デメリットについてご紹介していきます。

1.樹木葬について

1-1.樹木葬の特徴

公園型樹木葬や森林型樹木葬など、故人様の遺骨を粉末状にし樹木の根元に埋葬して土に還す、近年特に都市部で注目されている自然葬の一形態です。
墓石・墓標などはなく、特定の樹木の根元に遺骨を撒き土に返すことで、その樹木が墓標の代わりとなり自然の中で故人が眠るという、環境保護や自然との共生に重きを置いた埋葬方法です。
宗教・宗派といった縛りもなくどなたでも利用することが可能なため、特に無宗教の方、菩提寺を持たない方々からも大きく支持されています。

1-2.樹木葬のメリット・デメリット

1-2-1.樹木葬のメリット

  • 樹木の根本で遺骨を土に還し、自然と一体となることを目的としているため、環境負荷をかけず地球に優しい埋葬方法です。
  • 墓石を持たないため、墓地の管理費といったコストがかからず経済的な負担も軽減されます。
  • ほとんどの樹木葬は森林墓地や霊園の管理団体による永代供養が行われるため、ご遺族・ご親族による定期的な訪問やコストが省かれます。
  • 現代のライフスタイルに合った新しい形の埋葬方法のため、墓地が遠方にある場合に定期的に管理するといった手間も省かれます。
  • 森林・公園といった自然の中で故人様が眠るというシチュエーションは、訪問されるご遺族・ご親族の心を癒す効果もあります。

1-2-2.樹木葬のデメリット

  • 墓石や標識を持たない埋葬方法のため、故人様を埋葬した具体的な場所を特定しにくくなる可能性があります。
  • 樹木葬が知られるようになってまだ日が浅いため、地域によっては近隣に樹木葬の行える場所がないことも考えられます。その際ゆかりの無い場所に故人様を埋葬してしまうのかどうかを検討する必要が出てきます。
  • 霊園、森林の管理団体が将来的に破綻する可能性についても考慮する必要があります。リスクヘッジのためにも、できるだけ事前に信頼できる団体であるかを調べておく必要があります。
  • 伝統的な墓地への埋葬を希望するご遺族・ご親族がいる場合、樹木葬について反対される可能性もあります。事前に十分話し合いを行なってトラブルのないよう進めることが大切です。

2.散骨について

2-1.散骨の特徴

散骨とは故人様の遺骨を粉末状にし、自然の中や故人様の思い出の場所に撒く埋葬方法です。
主に海洋や山岳、ご自宅、変わったところでは宇宙へ遺骨を撒く宇宙葬など故人様やご遺族の意向に合わせて埋葬場所を選ぶことができます。
日本では法に則り適切な方法で行う散骨は合法とされているため、環境に配慮でき故人様の思い出をご遺族・ご親族で共有することが可能な新しい葬送方式として支持を集めています。

2-2.散骨のメリット・デメリット

2-2-1.散骨のメリット

  • 海や山といった故人様の愛する場所に散骨することが可能なため、故人様の意思を最大限に尊重する埋葬方法になります。
  • 特定の墓標を持たないため、墓地の管理費といったコストがかからず経済的な負担も軽減されます。
  • お墓の維持管理といった定期的なメンテナンスの必要がないため、お墓の後継者がいないケースやご遺族やご親族が遠方に住んでいる場合の負担が軽減されます。
  • 現代のライフスタイルに合った新しい形の埋葬方法のため、宗教・宗派を問わず自然を愛する多くの方に受け入れられています。

2-2-2.散骨のデメリット

  • 樹木葬同様、記念碑や墓標を持たない埋葬方法のため、故人様を偲ぶ特定の場所がなくなる可能性が高くなります。
  • 故人様の遺骨がご遺族の手元に残らないため、後々遺骨を手元に置きたいと考えた場合に対応できない可能性もあります。
  • 公共の場所への散骨はその場所を利用される方々や周囲への配慮を求められます。どう進めていくのが良いかを事前に専門の業者に相談しておきましょう。
  • ご自宅の庭等に散骨する際は後々のトラブルを避けるためにも、近隣の方々へ事前にその旨の説明を行うといった配慮が必要です。
  • 将来的にご自宅の土地を手放すこととなった場合に、どのように対応するかといった点にも考慮する必要があります。

まとめ

樹木葬、散骨共に環境へ配慮した、自然にも故人様のご意志にも優しい埋葬方法です。
しかし、伝統的な埋葬方法へのこだわりをお持ちのご遺族やご親族がいる場合、その心情を鑑みた上での説得が必要なこと。また後々故人様の遺骨が残らないことへの寂しい感情が湧いてくることも考えられます。
事前にご遺族・ご親族とよく相談され、故人様にふさわしい埋葬をされることが何よりの供養になることと思います。

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ご不安やお困りのことがございましたら、どのようなことでもお気兼ねなくご相談ください。
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