お葬式のマナー|葬儀中の正しい振る舞いも徹底的に解説
お通夜やお葬式の知らせは予期できるものではありません。ある日突然、知人のお通夜やお葬式の案内が届くこともあるでしょう。お葬式に参列する際に、関連するマナーを知らない状態だと周囲からは、「常識に欠ける人」という印象を持たれてしまいます。
そのような印象を持たれないためにも、お葬式のマナーは社会人として知っておくべき知識の一つです。
そこで今回は、お葬式の流れや服装、持ち物、お悔やみの言葉、お焼香の仕方などについて詳しく解説します。
1.お葬式(お通夜・告別式)の流れ
ここでは、亡くなった後のお通夜とお葬式のおおまかな日程や流れを説明します。
まず故人が亡くなられた日は、遺体を安置できる場所に搬送します。多くは、自宅やお葬式会社の安置施設となります。
遺体は、法律により亡くなられてから24時間以内の火葬ができないため、安置されている場所でお通夜が行われることが主流です。亡くなった日や次の日にお通夜をすることが多く、お通夜の次の日にお葬式・火葬という流れとなります。
1日目 (亡くなった日) | 午前 | お亡くなり |
---|---|---|
午後 | 搬送・安置 | |
2日目 (お通夜) | 午前 | お通夜の用意 |
午後 | 納棺・お通夜 | |
3日目 (お葬式) | 午前 | お葬式・告別式・出棺 |
午後 | 火葬・精進落し(食事) |
2.お葬式のマナー|お悔やみの言葉からお焼香の仕方まで
お葬式は故人とのお別れの場です。心からお悔やみの気持ちを伝え、遺族の気持ちに寄り添った振る舞いをしましょう。
ここでは、服装、持ち物、焼香の方法、お悔やみの言葉などの基本マナーについて解説します。基本的なマナーをしっかりと把握し、参列の際に失礼のないようにしましょう。
2-1.お悔やみの言葉
お悔やみの言葉は、シンプルに伝えましょう。悲しみの中にある遺族をより悲しませたり、傷つけたりしないように注意が必要です。
また、遺族は参列者への対応や、段取りの打ち合わせなどがあり忙しく動いている場合が多くあります。長く話したい場合もあるでしょうが、タイミングよく手短にお悔やみを伝えられるように心がけましょう。
お悔やみの言葉を伝える際、下記のような言葉掛けは、遺族に対して失礼になったり傷つけてしまったりする可能性があるため、お葬式では不適切とされています。
- 故人の死因や病状を尋ねる
- 「頑張って」「元気を出して」などの言葉
- 「まだまだ」「くれぐれも」などの重ね言葉
- 死ぬ、生きるなどの直接的な言葉
「生きているとき」は「お元気なころ」と言い換える - 4や9などの死や苦を連想する言葉
- 長話をする
次にお悔やみの言葉の例を紹介します。「ご愁傷様でございます」はどの宗派でも使えて失礼にはあたらないため、覚えておくと良いでしょう。キリスト教の場合は、「冥福をお祈り致します」「成仏」「供養」などの言葉は使用しないため、注意が必要です。
- 「この度はご愁傷様でございます。心からお悔やみ申し上げます」
- 「この度は残念なことになりまして、心からお悔やみ申し上げます」
- 「突然のことで言葉もございません。心からお悔やみ申し上げ、ご冥福をお祈り致します」
- 「安らかな眠りにつかれますよう、心よりお祈り申し上げます」(キリスト教)
2-2.服装・身だしなみ
お葬式には喪服を着て身だしなみを整えて参列しましょう。平服のような柄物やボタンダウンなどのシャツは着用しないことが基本です。スーツやカバンなども、黒のシンプルなデザインで、光沢がない生地のものを選びましょう。男性と女性の服装の基本と小物類について下記にまとめているため、参考にしてください。
またまとめにはありませんが、学生が参列する場合の服装は、学校の制服で問題ありません。メイクや小物に関しては、下記のまとめを参考にしてください。
男性 |
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女性 |
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小物類・その他 |
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2-3.持ち物・お香典
数珠と香典は最低限必要な持ち物です。香典を包む外袋は、水引が印刷された不祝儀袋を使用します。現代では、コンビニエンスストアでも買うことができます。
包む金額の相場は故人との関係性や外袋の種類によって異なりますが、極端に高額な香典を包まないことが大切です。水引が印刷されている袋の場合は、3,000円〜5,000円ほどが目安とされおり、1万円〜3万円ほどでは、黒白の水引か双銀の水引がある袋を使用します。
宗教と宗派が分かっている場合は、その宗派の表書きのものを準備してください。分からない場合は、すべての宗派で使える「御霊前」を水引の上に書いて準備するとよいでしょう。水引の下には、氏名をフルネームで書きます。
中袋の表面には包んだ金額を、裏面には住所と氏名を書きましょう。ただし、外袋だけではなく中袋に書く内容も宗派によって異なります。
お札を入れるときには、お札の向きを揃えて入れましょう。また、香典には新札を使用しないことがマナーとなっています。理由としては、新札を使用すると、「亡くなることを予測していた」という印象を与えてしまうからです。
香典は、袱紗に包んで持っていきます。弔事用は黒、グレーや紺の寒色系、慶事用は赤やピンク・オレンジなどの暖色系です。紫は慶弔の両方で使えるとされています。袱紗が無い場合は、グレーや紺などのハンカチでも代用が可能です。
2-4.お焼香の仕方
お焼香の方法は、宗教や宗派によって異なります。焼香の順番が来たら、親族や僧侶、正面に対して一礼します。数珠は左手に掛けて、右手の親指、人差し指、中指で抹香をつまみ、丁寧に焼香しましょう。その後、合掌して霊前に深く一礼し、親族や僧侶に黙礼して終了です。
線香で焼香する場合は、1本ずつ立てて火は手を使って消すことようにしましょう。口で吹き消すと、失礼にあたります。
3.どうしてもお葬式に参加できない場合は?
故人を送りたい気持ちがあっても、どうしてもお葬式に参列できない場合もあります。その場合は、連絡をもらった際にすぐ、参列できない理由を手短に伝えましょう。
伝える際相手は、当然ながら前述したようにお葬式の準備などで忙しいため、話は短く済ませるようにしましょう。
お葬式に参列できない場合の、お悔やみを伝える方法を下記にまとめました。参列ができない場合には、参考にしてください。
弔電を打つ | 死ぬ、生きるなどの人の生死に関する言葉やたびたびなどの繰り返す言葉は、使用しない |
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お香典を預ける・郵送する |
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供花・供物を送る | 花や日持ちがするお菓子や飲み物など |
弔問する | 四十九日までに弔問すると良い |
他には弔電を打った状態で、名刺を持った代理人に参列してもらう方法もあります。後で弔問する場合、故人の遺骨がまだ自宅に安置されていることが多いため、四十九日までに訪問すると良いでしょう。
まとめ
お葬式に参列する場合は、慌てないように喪服や香典、数珠の準備が速やかにできるようにしておきましょう。小物類はまとめて分かりやすい場所に保管しておくと便利です。喪服には派手なデザインではないシャツや小物を合わせて、失礼のないように心がけましょう。
お葬式の場では、手短にお悔やみの言葉を伝えることが大切です。死因や病状を聞くことや、生きる・死ぬなどの直接的な言葉を使わないなど、配慮を忘れないようにしましょう。
どうしてもお葬式に参列できない場合は、後から香典を郵送したり、四十九日までに弔問したりしてお悔やみの気持ちを伝えることができます。
マナーをしっかり把握し実践することで、相手に与える印象も大きく異なるため、ぜひ参考にしてください。