【文例あり】初盆の挨拶は何を話す?喪主が出す挨拶状の書き方も
初盆とは、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のことを指します。僧侶にお経をあげてもらい、親戚や知人と一緒に故人・先祖の霊を供養してもらうことが一般的です。
しかし、喪主を任せられたものの「初盆の挨拶で何を話せば良いか」「案内状・挨拶状の書き方が分からない」という悩みを抱える人は少なくありません。
本記事では、初盆の案内状・お返しに添える挨拶状の書き方、喪主挨拶で話すべき内容について紹介します。不安なく初盆を迎えるためにも、ぜひ参考にしてください。
1.そもそも初盆とは?どのような法事?
初盆とは、故人が亡くなってから四十九日を過ぎて初めて迎えるお盆のことです。主に関西方面で初盆と呼ばれており、関東方面では新盆と呼ばれています。
お盆の期間は、一般的に盆の入りが8月13日、盆明け16日です。ただし、関東北部や中国・四国地方、沖縄県など、旧暦で行う一部の地域は7月13日から7月16日までとなっています。
お盆は、先祖の霊が帰って来る期間です。そのため、「お盆の期間中に、故人の親族や知人などが一同に会し、故人が生前過ごした場所などで供養する」という風習ができました。
特に初盆は、故人が亡くなってから最初のお盆となることから、親戚や知人などを招き、通常のお盆よりも盛大に法事を行います。そのため初盆では、案内状を書いたり法事の準備をしたりすることが必要です。
2.初盆の案内状を書くときのポイント
初盆は、親戚をはじめ故人と親しかった知人などを招き冥福を祈るため、参列者に案内状を送ります。ただし地域によっては、案内状を送らない風習があります。送付するかどうかは、家族や親戚にあらかじめ相談するとよいでしょう。
なお初盆の後は会食が開かれることも多く、事前に食事や香典返しなどの準備が必要なため、案内状を送ることが一般的です。
初盆の案内状には、以下の情報を必ず記載しましょう。
- 日時
- 開催場所
- 会食を開く場合の出席の有無
他にも、参列者が問い合わせできるように、喪主の連絡先も記載すると親切です。また、昔の筆表記にならい、案内状には基本的に句読点は使用しません。
2-1.初盆の案内状の文例
初盆の案内状で記す、例文について紹介します。
謹啓
暑さも厳しい折 皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます
この度 亡き○○○○ の初盆法要を催すこととなりました
つきましてはお暑い中ご足労いただき恐縮ですが ご参列賜りますようご案内申し上げます
敬具
記
日時 令和○年○月○日 午前○○時より
場所 ○○寺 住所 ○○県○○市○○町○丁目
なお 法要後は粗餐の席をご用意いたしております
お手数ですが ○月○日までにご都合のほど ご返信くださいますようお願い申し上げます
令和○年○月○日
住所 ○○○
電話 ○○○-○○○
氏名 ○○ ○○
案内状には、故人の法要を執り行う旨と法要の詳細を記します。法要後に粗餐(そさん)の用意や引き出物の手配があるため、返信用のはがきを同封するか往復はがきを使用して出欠席を取りましょう。
3.初盆当日の喪主挨拶で話すべき内容
初盆当日の法要では、喪主から参列者へ挨拶をする場面があります。話す内容は、以下の要点を参考にしてください。
- 参列者への感謝
- 故人のエピソード、故人との思い出など
- 今後のことを述べる
まずは、参列者への感謝を述べることが大切です。参列者の中には忙しい中、急遽足を運んでくれる人もいます。喪主として、感謝の気持ちと労いの気持ちを参列者へ伝えてください。
続いて、故人のエピソードや故人との思い出を話すと良いでしょう。初盆は故人が亡くなって初めて迎えるお盆です。故人に関する生前のエピソードを話し、故人を偲びましょう。時間は短めに、長くても数分程度で終えるようにします。
参列者は故人や喪主とゆかりのある人であり、今後もお付き合いが続く場合がほとんどです。そのため、「今後とも変わらないお付き合いをよろしくお願いします」と一言お伝えします。
最後に、参列していただいたお礼を再度伝え、喪主の挨拶を締めましょう。
3-1.初盆の会食における挨拶例
会食では、まず喪主の挨拶・献杯が行われ、会食を始めることが一般的です。参列者へ向けた感謝の気持ちを踏まえた挨拶例は、以下の通りとなります。
本日はお忙しい中、亡き○○の初盆法要にご参列くださり、誠にありがとうございます。皆様のお陰で無事法要を執り行うことができました。
生前親しくしていただいた方々にお集まりいただけて、故人も喜んでいることと思います。
早いもので○○が亡くなって初めてのお盆を迎えました。
当時と比べれば悲しみや喪失感は少しずつ和らぎ、生前の出来事を懐かしく思い出すこともできるようになりました。
〜故人とのエピソードなど〜
皆様にはあたたかい励ましや、私たちに寄り添ったお心遣いをいただき、大変感謝しております。
今後とも変わらぬご指導・ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
心ばかりではございますが、お食事をご用意しております。
お時間の許す限り、ごゆっくりお過ごしいただけますと幸いです。
本日はご参列くださり、誠にありがとうございました。
挨拶は長くなりすぎると、締まりがなくなるため短くまとめることが大切です。エピソードや思い出話なども端的にまとめ、参列者も共感できる話題が望ましいでしょう。
4.初盆のお返しに添える挨拶状の書き方
初盆法要へ参列した人には、香典へのお返しとして引き出物を渡します。引き出物を渡すときは、参列への感謝などを記した挨拶状を必ず添えましょう。
挨拶状は手書きで作成することで、参列者に対する感謝の気持ちがより伝わりやすくなります。しかし、最近ではハガキなどに印刷した挨拶状でも失礼に当たりません。
また、挨拶状は参列した人と参列できなかった人、両方に添える必要があります。書き方や例文については次の章で紹介するため、ぜひ参考にしてください。
4-1.参列した人に送る文例
初盆の法要当日、参列した人へのお返し品に添える例文は以下の通りです。
謹啓
時下益々ご清栄のことと心よりお慶び申し上げます
この度は 亡○○ ○○ の初盆に際しまして ご多忙中にもかかわらずお集まりいただき 誠に有難うございました
故人も浄土にてさぞかし感謝していることと存じます
つきましては 亡○○ の初盆供養のしるしにほんの気持ちではございますが心ばかりの品をご用意いたしましたのでご受納賜りますようお願い申し上げます
略儀ではございますが書中をもちましてお礼のご挨拶とさせていただきます
敬具
令和○○年○月○日
○○県○○市○○町○丁目
喪主 ○○ ○○
親族一同
お返しに添える挨拶状では、主に参列の感謝を述べましょう。他にも、故人の名前・喪主の名前など、基本的な情報も記載してください。
4-2.参列できなかった人に送る文例
初盆の法要に参加できなかった人に対しては、香典のお返しに引き出物と挨拶状を送ることが一般的です。参列できなかった人に対しての例文は以下の通りです。
謹啓
時下益々ご清栄のことと心よりお慶び申し上げます
去る令和○年○月○日 亡○○ ○○ 初盆の法要を無事に相済ませました
初盆に際しましては ご厚志を賜り 誠に有難うございました
故人も浄土にてさぞかし感謝していることと存じます
つきましては 亡○○ の初盆供養のしるしにほんの気持ちではございますが心ばかりの品をご用意いたしました
ご受納賜りますようお願い申し上げます
略儀ではございますが書中をもちましてお礼のご挨拶とさせていただきます
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう よろしくお願い申し上げます
敬具
令和○○年○月○日
○○県○○市○○町○丁目
喪主 ○○ ○○
親族一同
参列できなかった人には、初盆の法要を無事に済ませた旨を伝え、感謝の気持ちを記しましょう。なお、挨拶状を送る際は、送るタイミングを十分に確認することがマナーです。
まとめ
初盆は故人が亡くなった後、初めて馴染みの場所へ戻ってくる期間です。親戚や知人など多くの人を招き、故人を供養する大切な機会となります。そのため、故人や参列者に失礼のないよう、事前に初盆法要の準備や流れを理解することが大切です。
初盆当日の喪主挨拶は、「参列者への感謝」「故人のエピソード・思い出」「今後のスケジュール」を中心に話しましょう。また、初盆のお返しに添える挨拶状は、参列した人と参列できなかった人に渡す必要があります。
本記事で紹介したポイントを押さえ、喪主としてスムーズに立ち振る舞えるよう準備をしましょう。